ドナルド・トランプが大統領に就任する前の2016年末、ワシントンのディープステートはトランプ大統領を権力の座から引き下ろすため、元陸軍中将でトランプ政権の初代国家安全保障補佐官を務めたマイケル・フリンを標的にした。 当時の駐米ロシア大使であったセルゲイ・キスリャクと対話をしたことを理由に、米メディアはフリンをロシアのスパイとして追い詰め、彼を反トランプ・ディープステートの最初の犠牲者にしたのだ。
11月の米大統領選挙が近づいているが、トランプの再選可能性が高まっている。そして彼の支持率が上昇するにつれ、ディープステートの攻勢も強くなっている。しかし、驚くべきことに、ディープステートがトランプを攻撃すればするほど、彼の支持層が厚くなるという逆説が起きている。
投票日まであとわずかだが、今後、アメリカの国内情勢は急変することが予想される。そして、これは必然的に同盟国である日本にも大きな影響を与えることになる。そこで「ザ・ポスティル( The Postil)」は、トランプの側近でありアメリカの事情に詳しいフリン中将と単独インタビューを行った。
三つの選挙シナリオ
11月の米大統領選挙前に様々な状況が予想されるが、大きく分けて3つのシナリオが考えられる。まず、選挙を全く行わない「no election」シナリオだ。何らかの国家的非常事態などを宣言し、国家と国民の安全のためと称して選挙自体を行わないというものだ。
二つ目のシナリオは、2020年の選挙のように選挙は行うが、不正選挙をベースにした選挙だ。「ロー・フェア」、つまり司法制度を利用して政治の敵を倒す方式に戻ることだ。この場合、いわゆる「選挙」で勝利した政党が引き続き権力を握り、米政府の基盤を破壊することを意味する。ここで日本国民が知っておくべきことは、アメリカにはもはや「民主党」という政党は存在しないということだ。いまだに「民主党」と呼んでいる政党は、社会主義に乗っ取られている。従って、アメリカの議会や州議会などのポジションを占める人々の多くは社会主義者なのだ。
もしこの様な状況が続けば、アメリカの国民は自国がグローバリストによって崩壊していると考えざるを得なくなる。例えば、世界経済フォーラム(WEF)、世界銀行(WB)、世界貿易機関(WTO)、国際通貨基金(IMF)、国際連合(UN)など、世界をひとつにまとめることを目指すグローバリストの影響力が、アメリカ社会全体に浸透していることに気づくであろう。いわゆるグローバリストたちの基本的な前提は、ある国家の国民より自分たちの方がその国を支配する資格があると考えることだ。アメリカはやがて、グローバリストエリートによって支配される合衆社会主義国家に転換されるかもしれない。
その後も、グローバリストが世界中の自由を奪うシナリオが予想される。日本の場合、政府自らがグローバリストに降伏し、世界新秩序の構築のために主権を譲渡することも想定できる。日本はその過程で経済かつ軍事力を失い、主権を完全に失ってしまうのだ。世界の新秩序とは言え、それは1990年代ジョージ・ブッシュ政権での「世界の新秩序」ではなく、第一次世界大戦時のウッドロウ・ウィルソン時代に遡る。
ここで強調したいことは、経済力は決して自由を保証しないとのことだ。アルゼンチンを例にとってみよう。アルゼンチンはかつて非常に裕福な国だったが、自国の政府が国を台無しにした。ヴェネズエラも同様だ。アルゼンチンは今、ハビエル・ミレイ大統領のおかげで復活を試みているが、国民は長い間くるしんだ。要は、どこの国でも国民が常に注意を払わなければ、自由を奪われるのだ。
もしトランプが再びホワイトハウスに入ったら、日本にも自国のためにグローバリストと戦うことを進めるはずだ。なぜなら、アメリカの国内情勢が激変しているからである。今の米国はいわゆるセキュリティーステート(security state)となり、大手企業、軍産複合体などが追求する果てしない戦争を戦い続けている。 アメリカ人は自分たちのグローバリストとの戦いに必死で、日本に割く力は残っていないかもしれない。
三つ目は、公平でオープンな選挙が行われるシナリオだ。しかし、現時点ではその可能性は極めて低い。ワシントンの腐敗の深さを考えると、アメリカで公平な選挙が行われるとは考えられない。実際のところ、アメリカでは公平な選挙制度が存在しないからだ。
グローバリズムの本質を知らなければならない
グローバリズム浸透の例として挙げられるのが米ドルの弱体化と代替通貨の普及である。例えば、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)を考えてみよう。米政府はすでにCBDCの方向に動いている。米ドルは日々に弱くなっていて、その存在感は世界中で縮小している。
コロナ禍に開発されたいわゆる「コロナワクチン」も、グローバリズムの例の一つである。現在、ワクチンを接種して死亡したり、負傷をする患者が爆発的に増加している。この「コロナワクチン」というものは、そもそもこのような結果をもたらすために考案されたと思われる。世界人口を減らすために「ワクチン」を押し付けたのだ。もちろん私は医者ではないが、疫学者たちの話を聞いて見てほしい。私の知人の中にも亡くなった人がいる。私より若くて健康な人がほとんどだった。実際、心臓病などで突然亡くなった人々の事例を見ると、共通点はみな「コロナワクチン」接種である。誰がその責任を負うのか。
最後に、不正選挙を例に挙げることができる。選挙における不正は、国民を自らが望まない選択に追い込むことになる。アメリカの国民はこれまで非暴力的なデモや司法制度を通じて政府の腐敗と戦ってきた。しかし、選挙の結果をあらかじめ断定し判決を下す裁判官を見てうんざりしている。裁判官は選挙結果を決定する権利がない。そもそも、裁判官が選挙に干渉する理由はない。彼らの主な業務は憲法に関わることを判断することだ。例えば、今年に入ってコロラド州でトランプ候補の名前が州投票用紙から削除されことがあったが、裁判所はこれを取り消し、無効にした。
これは過去半世紀以上、グローバリストがアメリカの司法に浸透してきた結果である。特にワシントンDCの司法部が抱える問題は深刻だ。司法部だけでなく、教育制度や米全土の地方自治体政府にもグローバリストが浸透している。アメリカは今グローバリスト連盟の猛攻撃を受けている状態なのだ。
日本が直面している苛酷な現実
では、この「グローバリスト連盟」とは具体的になにを指すのか。まず、グローバリストの強力なメンバーとして、中華人民共和国を挙げることができる。私は孫子の『兵法』から戦争と戦略について書かれた言葉をよく参照するが、中国は孫子の戦争の定義、すなわち「戦争は欺瞞である」という考えをもとに行動している。中国は欺瞞、虚偽の情報などを利用して自分の立場を強化し、敵を欺こうとするのだ。
日常のように中国が日本の領域、領海、空域を侵害している。日本の自衛隊は非常に高いレベルで訓練をしていて、優れていると思うが、予想できない間違いも起こりえる。そういった間違い、例えば中国の戦闘機と日本の戦闘機が追突した場合、戦争の引き金になる可能性もある。今、太平洋の情勢は非常に危うい。いつ戦争が勃発してもおかしくない状況なのだ。
実際、ヨーロッパと中東では核使用にまでつながりうる戦争が進行しており、すでに第3次世界大戦に突入したと言っても過言ではない。長距離ミサイルが飛び交っており、その一部が撃墜されたというニュースも出ている。そして、戦争の種類を見ると、ミサイルなどを使用する戦争パターン、すなわち「4G」戦争もあるが、「5G」ハイブリッド作戦なども並行している。
私が特に懸念しているのは、いわゆる「ブラックスワン」事態、全く予測できない大きな出来事である。ナシム・ニコラス・タレブ(Nassim Nicholas Taleb)という思想家が過去20年以上にわたって発展させてきた理論だが、単に自然災害のような事故のことではない。
例えば最近、ウクライナ側がロシアの原子力発電所に向けてドローンを操縦したというニュースがあった。第二チェルノブイリ事件が起こりうる事件であり、予測不可能なブラックスワンを引き起こす可能性が十分ある事件だ。このような時に必要なのは、リーダーシップである。そのために最も緊要なのは主権国としての力だが、日本の場合、予期せぬブラックスワン事件に迅速にリーダーシップを発揮し対応する準備ができているかどうか問いたい。
日本にいる読者がどう受け止めるかは分からないが、私は安倍晋三元首相の暗殺の背後にはグローバリストがいたと思う。その事件を機に、1960年代にアメリカで起きた暗殺事件をもう一度見つめ直す必要がある。例えば、ジョン・F・ケネディを暗殺したのは実はリー・ハービー・オズワルド(Lee Harvey Oswald)ではない。最近リリースされたドキュメンタリー「フリン:何があっても真実を語る」で私はそう断言した。その事件があった頃、アメリカでは冒頭で述べたセキュリティーステートが政府に影響力を及ぼし始めたのだ。
新しい世界連盟は出来上がりつつある
ブラックスワンではない、誰が見ても視覚的に確認できる出来事も起きている。その一つが新しい世界連盟の誕生である。ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカが集まって作ったBRICS連盟のことだ。現在では経済と軍事協力が拡大され、今年だけで87カ国が新たに加盟する予定だ。日本はこれにどう対応すべきか? もしトランプが再選されれば、彼は日本の最も強力なパートナーになるに違いない。もし日本と米国、そして韓国、アルゼンチン、オーストラリアなどが協力すれば、我々はBRICSに対抗できる非常に強力な連盟を作ることができるはずだ。
だが、ここで一つ問題は、世界的に主権国家の数が減っていることだ。米国の場合、経済が崩壊しつつある。例えば、卵の値段がここ数年で3倍以上上昇し、ガソリン価格も急騰している。その上、主権国家を侵食するイデオロギー、例えばLGBT思想などが社会に蔓延している。日本の場合、駐日米大使を務めているラム・イマニュエルがこのような破壊的イデオロギーを推し進めていると聞いている。このようなことは決してあってはならない。















